おかげさまで、
11月12日からスタートした銀座 蔦屋書店でのフェア「神迎え ―掌に美しい日本を奏でる―」が、無事、12月17日に終了いたしました。
https://store.tsite.jp/…/humanities/43756-1018261105.html
お忙しい中、お越し下さいました皆さま、遠方よりエールを送って下さった皆々さま方に、まずは、心よりお礼を申し上げます。
あっという間の1ヶ月と少し。毎日通うというわけにはいかなかったのですが、今や世界中の人々が行き交う華やかな銀座という街で、この静かな佇まいのわれわれの作品がどのように受け止められるのか、ドキドキしながら足を何度も運びました。
熱心にご覧いただいている方を見つけると、ついつい嬉しくなって声をかけたくなるのですが、なるべく我慢。それでも、ときには抑えきれずに「この本はですね、島根県の・・・」と話しかけては、びっくりされることもしばしばございました(笑)
宗教学を大学で教えているというスペインからお越しになっていたご夫妻からは、神楽や和紙について詳細に尋ねられ、隠岐島前神楽の若手ホープ・小櫻錬さんのインスタをご紹介したり、展示していた楮に直接触れていただいたり。「全てを内包する日本の神様は美しいです」とおっしゃったのがとても印象的でした。
西ノ島観光協会から送っていただいた英語版のパンフレットと翻訳アプリが大活躍(笑)
そして、特に嬉しかったのが、見知らぬある方から届いた、下記のメッセージでした。
「私のふるさとの神様をご本にしてくださりありがとうございます。今年の夏、25年ぶりに私はお盆の最中 、お忙しい宮司さんと一緒に参拝させていただき、お抹茶をいただきながらあの景色を眺めていました。 宮司さんからは、こちらのご本のことはその時は聞かなかったのですが、東京に戻り、こうしてたまたま知ることができ、嬉しさで胸が熱くなりました。 小さな島の神様のご本。 たくさんの方々に携わっていただいてありがとうございました。 我が家の宝にしたいと思います。」
本を制作し始めたときから、地元の方に喜んでいただけるものにしたい、と願うように思っていたので、何よりのギフトを頂戴しました。
そして今回、注目を集めたのがディスプレイでした。担当したのは、本プロジェクトのアートディレクションを担当しているデザイナー・谷さやさんです。
特装版をどう展示するかは大きな課題だったのですが、アクリルケースに収めることで、見えなくなってしまうところを補うために、ミニチュア版を制作。全ページの概要がわかるように工夫してくれました。また、西田和紙工房さんから送っていただいた楮の原木、白皮をディスプレイに使用し、ここから全てが生まれることを表現。12月に入ってからは、石州和紙で作ったオーナメントを少しずつ増やしていくという細かな仕掛けで、楽しませてくれました。
なお、フェアは終了いたしましたが、同じ日本文化コーナーの棚にて引き続き、書林版・石州和紙・和紙札・冊子『掌に美しい日本を奏でる 第一章』を販売していただけることになりました。誠にありがたいことと存じております。
さて、そろそろプロジェクト第2章のことも考え始めています。
Japan Craft Book project などと立ち上げて、1冊だけで終わるわけにはいきません。
また違う土地の「神様」、その神様とご縁深い「紙」に物語を綴り、描く・・・を何冊か形にして、やっと「日本人が持つ畏怖の念」のようなものを表現することができるのでは、と思っています。
石州和紙の鶴にのせて、そんな想いもこっそりお伝えさせてください。
また、2025年の春には、『神迎え』のプロダクトにフォーカスしたイベントも企画しております。ぜひ、ご一緒していただけますと幸いです。
どうぞ、良いお年をお迎えくださいませ。
Japan Craft Book プロジェクト 代表 稲垣麻由美
official@japancraftbook.com