Japan Craft Book  project

vol.16 美しい日本を奏でる

Japan Craft Book とはなにか。
それは実際のところ、1冊1冊、形にするなかで本質が立ち上がり、
自然と見えてくるものだと思っています。

ただ、目指すところを短い言葉で表すならば、
「掌に 美しい日本を奏でる」です。

デザイナーの谷さやさんが、Japan Craft Book Project の概要を
コンパクトに動画にまとめてくれました。

ぜひ、ご覧ください。
https://www.youtube.com/watch?v=jZExCkSnrVY


ちなみに「美しいとは、なにか」をよく考えます。

全ての人が美しいと感じるものは存在しないかもしれませんし、
「美しい」の捉え方は人それぞれです。

ただ、一つ言えることは、ハッと心を動かされる時、
人は「美しい」と感じるのではないか、と思っています。

それは、日常の中に溢れています。
目に見えるものだったり、見えないものだったり。
ただ、それは慌ただしい日々の中ではなかなか気づかず、感じられません。

わざわざ手に取り、読む、見る。
そんな「本」という仕掛けの中だからこそ、
できることがありそうだと思っています。


Japan Craft Book Project では現在、
島根県隠岐諸島 西ノ島にある焼火神社の本を2冊制作中です。

1冊は焼火縁起をもとにした『御神火』。
もう1冊は、隠岐島前神楽の世界を描いた『神迎え』です。

そしてまだ先の話になりますが、焼火神社の本が完成したら、
次はまた場所を移し、『御神木』『御神水』『御神山』・・・というように、
「日本の神様の物語を、日本の紙に綴る、描く」シリーズを
順次制作していきたいと考えています。

その度ごとに、関わる作家もさまざまに広がっていくと、
より多彩な世界が誕生しそうです。

(和紙の原料となる楮。西田和紙工房さんで)

小泉八雲が『知られぬ日本の面影』の序文の中で、

「語り継がれてきた小さな物語や迷信にこそ、
人々の希望や怖れ、善悪の観念、目に見えぬ世界への想念が込められている」

と、書いています。

昔、おじいちゃん、おばあちゃんが、こんな話をしてくれたよ、
と日本各地にひっそりと残る物語を、その土地に近い和紙を使い、
世界へ再発信することができれば幸せです。

Japan Craft Bookプロジェクト
代表 稲垣麻由美

ーつづくー

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